
入社以来、滋賀営業所に所属。「人が10年かけて培うスキルをわずか3年で体得した逸材」と称され、入社4年目から重要顧客を担当。社内VE発表会の常連として知られ、準大賞を複数回受賞している人材。
京都営業所で5年間勤務した後、滋賀営業所に異動。直後から主要顧客に向けた開発活動に取り組み、すでに入り込んでいた競合他社から案件を奪取。これを皮切りに顧客グループ全体の信頼を勝ち取り、商流の一本化に貢献した立役者。
入社後の研修で滋賀営業所に仮配属された際、活気があるのに和やかな独特の雰囲気に一目惚れ。自ら滋賀営業所への配属を志願した新卒1年目。学生時代にお笑いサークルで鳴らしたトークと笑顔が最大の武器となっている。
1年目は京都営業所に配属され、2年目から滋賀営業所に異動。奥ゆかしい性格から一見、おとなしそうに見えるが実はアグレッシブなスポーツマン。高校時代はバレーボールの滋賀選抜メンバーに名を連ね、インターハイにも出場している。


実は私、課長に確認したいことがあって。課長は滋賀営業所の礎を築いたレジェンドだってお聞きしたんですが、そうなんですか?

いや、まあ、着任した時から主要顧客の開発を任されたという点ではそうですが…

他の商社を通して単軸ロボットを購入していたお客様を振り向かせ、日本機材が推す仕入先様のロボット採用へとつなげたんですよね?

そうだね。そのお客様は二次電池の組立設備など自動化装置の生産に携わるメーカーで、うちの競合他社からすでにロボットを買っていたんです。普通はこの時点で「難しい」と判断するかもしれませんが、私は逆に商機があるとみました。

と言いますと…?

当社がロボットの仕入先様として開拓したあるメーカーがありまして、それを仮にA社とします。A社が生産するロボットは性能、コストともに本当に優れていて、私はずっとA社を追いかけ、「ぜひ一緒にやってほしい」と1年かけて口説いていたんです。

そのA社とのつながりがあったから競合にも勝てると思ったんですね?

そうそう。そうなんだけど、まだすんなりとはいかなくて。実はその競合もA社とパイプがあって、すでに採用されている単軸ロボットはもちろん、お客様が要望すればA社のロボットも提供できる強者だったんです。

まるで日曜の夜に放送されるお仕事ドラマみたいですね!

うん、まあ、そうだね。


そんな複雑な状況から課長はどうやってお客様を振り向かせたんですか?

これはもう頻回に訪問するのみ。足を運ぶたびにA社のロボットが品質、コストともにいかに優れているかを提案し、共感を得られるようアプローチしました。

そして、ついに日の目を見るわけですね!

いやいや、まだまだです。

まだ障壁があるんですか?

そりゃそうです。すでに採用しているロボットを切り替えるわけだから、それだけの価値があるのか、不具合が起こるリスクはないのかをシミュレートしないと。

その通り。でも、シミュレートするにはロボットをつくっているA社の協力が不可欠で、協力する以上はうま味がないとやってはくれない。採用の確度とか、採用後の物量とか、今度は仕入先に足繁く通う日々が始まるわけです。

本当に遠い道のりなんですね…

ちょっと待ってください、課長。さっき競合他社もA社のロボットを提供できるっておっしゃっていましたよね?すでに取り引きのある商社から同じロボットを購入できるのに、なぜ日本機材に乗り換える必要があるんですか?

お、鋭い質問。いいですねえ。ロボットの性能はまったく同じでも、間に入る商社が違えばコストや納期が変わります。日本機材が両者を取り持つことで競合他社以上のメリットを提供できれば、お客様は当社を選んでくれる。その際、A社の要望を叶える条件を盛り込めれば、お客様・A社・当社がwin-win-winになる。そんなハッピーな未来を提案できるのが商社営業の醍醐味なんです。



お客様とA社の間に課長が入って調整を図った結果、A社はコスト・納期を融通してくださり、その条件に魅力を感じたお客様が当社を選んでくださった。もちろん、A社もこれまで以上の物量が約束され、間に立つ当社にも利益がもたらされるハッピーエンドになった、というわけなんです。

私だけの力ではなく、お客様やA社の調達、技術、私の上司など非常に多くの人の協力があって勝ち取ったハッピーエンドです。さらに手ごたえを感じたのは、この一件を機にそのお客様からの評価が高まり、日本全国に拠点展開するグループすべての取り引きを日本機材の各営業所が担えるようになったこと。商流移管という快挙を成し遂げられたのは、私にとって大きな自信になりました。

滋賀営業所から始まったビジネスが日本機材の各営業所へと広がり、今ではどんな競合他社も寄せ付けない太いパイプを築いている。この展開はすべての商社営業の憧れですよね。

ドラマみたいですね!

なるほど。そんな課長のDNAを受け継いだOさんだから、社内VE発表会で何度も受賞されているんですね。

そうそう。Oさん、後輩たちにあの話をしないと。入社4年目で重要顧客を任され、他社で進んでいた案件を自社に乗り換えてもらったこと。


え、Oさんもそんなドラマチックな成功体験があるんですか!

でも、あれは前任者の人脈もありましたし、課長の同行があったからこそで…

ぜひ聞かせてください!

いや、実はね、あるお客様から省人化を図りたいという依頼をいただいて御見積を出したんですが、予算的に合わなくて他社で話が進んでいたんです。しかし、ある時、他社が提示する内容に「どうしても納得できない」と連絡をいただいたんです。

そうそう、そうだった。

でも、入社4年目の私には予算の問題を自ら解決できるほどの度胸も経験もなくて。それで課長に同行してもらったんです。

面談ではどんな話が出たんですか?

うん、競合の提案にはやっぱり納得できないということと、日本機材という会社、そして私を信頼していると。「だから本当は日本機材にお願いしたいと思っている」と切々と語ってくださいました。

なるほど。

ここまで言っていただいた以上、納得できる省人化を一緒に実現しようということになり、課長やシステムビジネスセンター(装置案件に特化した部隊)の力を借りて当社が推す協働ロボットの納入に向けて動き出したんです。

このプロジェクトでは何が一番、大変だったんですか?

コストを合わせるためにはロボットの仕入先様や生産ラインを構築する「ロボットSIer」にも協力してもらわなければなりません。この時はお客様のニーズを叶えるために新たにSIerを開発したのですが、目途がつくまでが本当に大変でした。



でも、最終的にはコスト・性能ともに納得していただける省人化を実現でき、お客様にも喜んでもらえたし、Oさんもこの件で社内VE発表会の準大賞を獲得できた。まだ4年目だったのに、本当にすごいことを成し遂げたよね。

ありがとうございます。

Oさんは仕事のへの責任感が強いし、どんな仕事も丁寧にこなすところがすごい。真面目だし、それに欲張りだよね。

…欲張りって褒め言葉なんですか?

業は欲張りじゃないとダメ。現状に満足せず、次から次へといい話を取って来れなきゃ。ほら、2年目のTくんだって、引き継ぎ案件のロボットと装置の一式納入が佳境に入っているもんね。

いや、私こそ課長の指示のもとに動いているだけで…

そんなことないよ。おとなしそうだけど、実際、芯はしっかりしてるでしょ?

プレッシャーは…嫌いじゃないです。いえ、むしろ好きです。プレッシャーを感じたことこそ、やり切るべきだと思っています。

Tくんのこういうところがすごくいい。素直に人の声に耳を傾け、すぐに行動に移せるところ。そういう姿勢をお客様は見てくれて、若くても担当者として認めてくれているんだと思うよ。

はい!

私、滋賀営業所への配属を希望して本当によかったと思っています。まだまだこれからですが、この営業所でみなさんように成長したいと心から思いました。

じゃあ、まずは課長を見習って薫り高いコーヒーから1日を始めないと(笑)。

ミルで豆を挽くところからやらなきゃ、ダメ(笑)。

え?

プライベートの姿勢は仕事にも反映されるからね、オンもオフも本気で。

分かりました!

・Tier1(ティアワン):完成車メーカーに直接部品を供給する一次請けメーカー
・システムビジネスセンター:日本機材の組織の中で装置案件に特化した技術営業部隊